食・健康コラム - 体も心も元気に

不妊症の定義

他のコラムを見る

不妊症の定義がかわりました

今回は不妊症についてです。ママココの読者の皆様の多くはママ、つまり妊娠、出産を一度は経験された方だと思います。
でも二人目、三人目がなかなかできない、と悩まれている方もおられると思います。

不妊症とは健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。
さて、ここでの「一定期間」とはどのぐらいでしょうか?この期間を定めることが定義になります。

海外では2009年にWHOが期間を1年と定義し、アメリカの生殖医学会は2013年に期間を1年、女性が35歳以上の場合は6か月と定義しています。

日本では今までその期間は2年とされていましたが、今年の8月に1年に短縮されました。
海外での流れや、昨今の晩婚化、晩産化にともない早期に適切な不妊治療を受けることが必要になることをふまえた変更です。
そして、不妊症の割合は、過去の調査をまとめた報告によると全体で約9%と推定されています。

ちなみに日本では2010年に平均初婚年齢が28.8歳、第一子出生時の平均年齢が29.9歳です。
30年前の1980年にはそれぞれ25.2歳、26.4歳でした。
結婚してから一人目を出産するまでの時間はあまり変わりませんね。
でもこの年齢の差が、二人目、三人目になるときいてくるのかもしれません。

不妊症とは

不妊症とは「妊娠しにくい」状態です。逆に「妊娠しやすい」状態もあります。
最近では高校保健教育の副教材「健康な生活を送るために」の中の「女性が妊娠しやすいのは22歳がピーク」という記述が話題、議論になりました。
さらにそのグラフが間違ってるという指摘までありました。
2008年には倖田來未さんの「35歳をまわるとお母さんの羊水が・・・」などというラジオでの発言が問題となり、謝罪、活動自粛など、えらいことになりました。
このように妊娠と年齢との関係はいろいろと物議をかもします。
逆に言えば、みなさんが結構気にされている証左でもあるのでしょう。

妊娠しやすい年齢

それでは、実際に妊娠しやすい年齢、適切な年齢はあるのでしょうか?

日本生殖医学会によりますと、妊娠、分娩に最適な年齢は20歳代、遅くとも35歳までとされています。
これはあくまで純粋に生物学的な観点から考えた見解です。
妊娠、分娩を考えるには、社会的な側面も考える必要があります。就学、就労、結婚、上の子供との関係、将来の見通し、お金の問題などなど。
産む前に問題を解決してから妊娠に臨むか? 産んでから生じる問題をその都度解決していくか?
それぞれのスタンスがあると思います。前者のかたはなかなか踏み出せないかもしれませんね。

20代からでも妊孕力(妊娠する力)はゆっくりと落ちてきますが、35歳を過ぎると顕著に落ちてきます。
いろいろなデータがあります。
中には17世紀、18世紀、19世紀、20世紀と4世紀間での比較をした文献もあります。
4世紀すべての世紀で35歳をこえると妊孕力の落ち方が急になります。
日本での不妊治療の成績でも35歳を超えると妊娠率の低下が急になります。

35歳という年齢

さて、その原因はどこにあるのでしょうか?
それは、加齢による「卵の質の低下」と考えられています。
例えばアメリカでのデータですが、若年女性の卵子提供をうけて体外受精を行った場合、40歳を超えても生産率は落ちません。
それに対し自身の卵子を使用した場合、年齢に伴い生産率は低下していきます。
細胞内のミトコンドリアの機能低下が原因といわれていますが、まだはっきりしたことはわかっていません。

まとめると、科学的な事実として35歳という年齢が一つの線になりそうです。
35歳を超えれば妊娠しなくなるわけではありません。
妊娠する力が落ちていくスピードが加速しだす年齢と考えてください。

妊娠したいという意志

定義が変わったことにより、いままで病気じゃなかった方が、急に病気の範囲に入ってしまうことになります。
でも、あまり気になさらないでください。不妊症は妊娠したいという意志があるか、ないかが問題ですから。
妊娠を希望しないなら病気でもなんでもないことになります。

定義の変更の意義は、妊娠を希望されていてもなかなか妊娠に至らない場合、今までより早めに動きだしましょう、ということです。
ご自身の年齢が35歳を超えてくるならばなおさらということになります。

早く妊娠したいな・・・
半年から一年そう思われているなら、産婦人科に相談に行かれることをおすすめいたします。

レディースクリニック院長 下村 陽祐

大阪堺筋本町「しもむら本町レディースクリニック」院長。

女性はライフサイクルに伴いさまざまな問題が発生します。今までその多くはあたりまえのこと、がまんすることと考えられてきました。しかし適切な治療によって痛み、不安やがまんから解放されます。クリニックでは、快適な日常を、そして笑顔を取り戻すお手伝いをしています。

» しもむら本町レディースクリニック

他のコラムを見る

ママココおすすめ情報

育休復帰プログラム e-ラーニング

ここにバナー広告を掲載してみませんか?

ママココ大阪×ベルメゾン 本気のおススメ商品リレー - ベルメゾン選りすぐりの商品をママがリレーで体験レポート!

ウーマンズ・ワークライフ Woman's Work-Life 女性に新たなステージを~ウーマンズ・ワークライフは女性の活躍と子育てを支援し企業・団体をサポートします。

ママ子のつぶやき ~子育てママ子の本音がポロリ。

  • コロナでドタバタだった昨年。きっと今年もそうかな。ならそれで楽しんでいこう。
    子どもたちが元気になるなら、そうしよう。
    2021/01/05
  • コロナでドタバタだった昨年。きっと今年もそうかな。ならそれで楽しんでいこう。
    子どもたちが元気になるなら、そうしよう。
    2021/01/05
  • 夏休みが始まったところだけど、早く幼稚園と学校が始まるのが待ち遠しい。。。
    2019/07/30
  • 今月の絵本コラムの「きょうりゅうのサン」これ読んだだけでも泣ける・・・
    2019/07/01
  • ハロウィン♪可愛い子供たちがますます可愛い一日。仮装って親子でテンション上がる↑
    2018/10/31
  • GWが半分終わった。幼稚園と学校があって助かる~ 後半の連休いらないよ~
    2018/05/01
  • 運動会、みんなと一緒に並んでる!ちゃんと団体行動できるようになったのね。
    2017/10/19
  • 電気代を見て驚く。。。驚く、驚く。
    2017/08/29
  • この暑いときに、ダンナの近くにおったら余計に暑いわ!やせてくれ!
    2017/07/17
  • 家の中では暑いからと裸族が出現!健康的でまぁいっか。子どもは裸んぼが大好き
    2017/06/09

ママココ大阪公式facebookページ

PAGE TOP