贈答のマナー(お歳暮)
起源は?
「中元」中国から伝わった言葉です。古来中国の民族思想であった「道教」では、1月、7月、10月の各15日を「上元」「中元」「下元」と呼び、天地万物を祭る年中行事を行っていました。 このしきたりが日本に伝わり、「中元」がお盆の行事と結びついて先祖への供物を親類などに配ったのが「お中元」の始まりです。
一方、「お歳暮」は、正月に歳神様を迎える供物を、本家に暮のうちに届けたのが始まりだと言われています。
お中元とお歳暮は、このように別々の習慣から発した季節の贈答習慣です。
なので、両方贈らなければいけない!というものではありません。
お中元、お歳暮のどちらかを贈るならお中元より一年の締めくくりの意味でもお歳暮を贈るのが良いでしょう。
贈る時期
12月初めより20日頃までに先方に届くように贈りましょう。
この時期になると百貨店、スーパーなどでギフトコーナーができますね。その時期を目安に贈ると間違いないでしょう。
お歳暮が年内に届けられない場合は、年が明けて~松の内までは、「お年賀」として、松の内を過ぎると、「寒中見舞」として松の内(一般的には1月7日、地方により違う場合もあり)が過ぎてから立春(2月4日頃)までの間に贈ります。
本来は訪問して直接渡すのが原則ですが、現在はデパートなどから直送するケースも増えています。
直送する場合は、挨拶状を同封するか、荷物が届く頃に別に手紙かはがきを出すのがマナーです。
お中元やお歳暮が日本中に広く普及した背景には明治以降の百貨店などの存在があります。
最近、贈答時期が早くなってきているのもお中元・お歳暮商戦を有利に運ぶための販売戦略の影響もあるようですね。
贈り方のルール
日本のしきたりには神道の影響が強く、昔から贈りものには、清浄を表す白い紙に包み、熨斗をつけ、水引を結ぶ風習があります。
贈り物に掛ける「のし紙」は、紅白の花結び(蝶結び)に熨斗が付いたデザインのものを用います。
表書きは濃い色の墨を用いて楷書体で書くのが基本です。
喪中の時は贈っていいの? ダメなの?
お歳暮は慶事の贈り物ではありません。
普段お世話になっていることに対する感謝の気持ちを贈るものですから、当方、又は先方のいずれか(又は双方)が喪中の場合であっても、お歳暮を贈ることは問題ありません。
忌中など、どうしても気になる場合は、時期をずらして「寒中見舞い」の形で贈ると良いでしょう。
※ただ、お年賀のご挨拶についてはご遠慮いたします。
お返しは?
基本的に、『ご先祖様に供える』もの、目下の人から『お世話になった方々へのお礼の気持ち』、又は取引関係の方に贈るのが一般的なので、お返しは必要ありません。
なので、お歳暮を贈った後、「お返しがないわ。」なんて言わないでくださいね(笑)。
特にお返しする必要はありませんが、礼状はできるだけ出すよう心がけましょう。
同僚、友人などの場合は、同程度の品物でお返しをしてもよいでしょう。
お礼
お礼状は、お歳暮を贈ってくださった相手の心遣いに対して感謝の気持ちを伝えることだけでなく、品物が無事に届いたことを知らせる役割もありますので、届いたらすぐに届いた旨を先方に伝えるのがマナーです。
最近では、お礼を電話やメールで済ませるのがあたりまえにも思えますが、お礼状を出すことが正式です。
真心をこめて書くハガキや手紙にはやはり電話やメールでは伝えられない温かさがありますね。
友人や親しい人へは形式にこだわらないで大丈夫です。
形式よりも気持ちを伝えることが大切です。
届いた当日、または翌日までは電話でOK、2~3日経つとお礼状が必要、(品物が届くとすぐにお礼状を書き、 2~3日以内にポストへ投函しましょう。)1週間以上過ぎるとお返しが必要、です。
ワンランク上の美女を目指す貴方、今冬はお礼状を準備なさってはいかがでしょうか?
プレシャス・フィニッシングスクール マナー講師 植木 典子
もっと日本の女性は綺麗になれるはず!という思いのもとプレシャス・フィニッシングスクールをされています。これはエレガントな女性に必要な立ち振る舞い、所作そしてマナーを学ぶスクールです。