少しずつ暖かくなり春がやってきた頃、今年もこの町にやって来たのは渡り鳥ではなく『ひげ』の群れです。
『ダンシャクヒゲ』に『ネコモドキヒゲ』、『オオモジャモジャヒゲ』に『ハイイロクルクルヒゲ』などなど、ひげの種類はとてもたくさん。

『ハシリヒゲ』は時速100キロで素早く走れるし、『プーンヒゲ』は変なにおいを出します。
ひげたちは生きものの鼻の下のにおいが大好きなので、あらゆる生きものがひげ面になるのはこの時期のおなじみの光景。人間たちは「笑う角にはひげ来たる」と、誰も追い払ったりしません。そしてひげたちは気に入った相手（ひげ）とつがいになり巣作りを始めます。

カラスやヘビなどの敵から巣を守るため、ひげ同士協力して身を寄せ合います。]
たくさんの大人のひげたちに守られすくすくと大きくなった小ひげたちは、夏の訪れとともに巣立ちます。敵に狙われながらも、自分たちで乗り越えていく姿はとってもたくましい！

そして人間たちと水遊びやお祭りを楽しみ、深く関わり合いながら少しずつ大人になっていきます。
秋になるとまた暖かい国を求めて渡ります。
今度はどんな生きものがひげ面になっているのだろうか。


ひげと共存しながら楽しく過ごすこの町の人々はとても楽しそう。
私は『ニホンドロボウヒゲ』にとまってもらって、泥棒面になってみたいです。

私は大学生の時に、イラストレーター時代の酒巻さんの個展に行ったことがありました。
数年後に子ども館で働くようになり、新刊として酒巻さんのこの絵本が入って来たときは偶然の再会に出くわしたようで心が躍りました♪

そしてなんと…別の場所で紹介をした時の記事を酒巻さんが見て、わざわざ子ども館まで来てくださったのです！（神様！！！）
そのときの衝撃といったら嬉しくてもう腰が抜けそうになったのでした。突然の出来事に舞い上がってしまい、うまく話せなかったのが悔やまれます…くぅっ…。

イラストを見た瞬間に当時の記憶が蘇るようなすてきな感覚は、絵本の醍醐味。
子どもの頃の読んでもらっていた絵本を次の世代に引き継いでみたり、はたまた自分のために手に入れてみたり…いつかの記憶に想いを馳せてみるのもいいかもしれません。

そろそろ夏本番の今日この頃、果たしてひげの群れは私たちの町にやってきてくれているでしょうか。以上子ども館酒井でした。


☆子ども館イベント情報☆

★おさんぽサロン（毎月第2水曜日）
　7/12(水)11:00～12:00
「絵本タイムを子育ての味方に」絵本講師が、読み聞かせを交えながら
子育てのエピソードやおうちでの絵本タイムの魅力をお話します。
※要申込　　※定員：10名　　※参加費無料　　
　※対象　：プレママ・プレパパさん、子育て中の方、絵本に興味のある方。
主役は大人ですがお子様連れの方も大歓迎です。

★おはなし会（毎月第4土曜日）※12月のみ変更します。
7/22 (土) 15:00～15:30
テーマに添った絵本の読み聞かせや手遊びをします。
※申込不要　 ※参加費無料　　※対象：どなたでも

★日本朗読検定協会　おはなし玉手箱（毎月第４日曜日）※12月のみ変更します。
　7/23（日）１回目　14：00～14：30
　　　　　 　2回目　15：00～15：30
　（１回目と２回目の内容は異なります。）
　手あそび、紙芝居、大型絵本・・・等もします。こども達の感性を育み、
たくさんの夢とファンタジーをプレゼントしようとおはなし玉手箱を開催します
さあ、今月は玉手箱からどんなお話がとび出すでしょうか?
お楽しみに…
※申込不要　 ※参加費無料　　※対象：どなたでも