海の側にある岩のくぼみに、おおきなカニカニとちいさなカニカニが暮らしていました。
そして今日は、ちいさなカニカニが初めて海へ行く日なのです。

「海だー海だー！」とウキウキ元気いっぱい海へ向かうちいさなカニカニ。
チョコチョコッと岩をこえて、チャポチャポッと潮溜まりをぬけ、ぬるぬる、ねばねば、つるつるっと、滑りやすい海藻の上を越えていき、ようやく海へ到着。

おおきいカニカニが、「これが…海だ！」とちいさいカニカニに海を見せると、「う…み」とちいさなカニカニは、目を丸くしました。
おもっていた海とは違った、ちいさなカニカニは、「おもうに…」と海に入らないほうがいいかもや、もういっぱい見たからいいかもなど、しまいには帰ったほうがいいなどと言い出しました。

けれど、おおきなカニカニは、そんな事はお構いなく心配するなよと、どんどん海へ入ろうとします。波に打たれビビリながらも、ついに海へ入る決心をしたちいさなカニカニの運命は果たして！！


この絵本の作者は、「ちょっとだけまいご」など様々な賞を受賞した人気作品を手がけるクリス･ホートンさん。全作品のキャラクターや背景などが、おしゃれで全体的な色彩がとっても綺麗だな…と思っていたら、なんと！絵本作家でもありながら、デザイナーとイラストレーターをされているそうです。

だからこんなに絵本をおしゃれにデザインできるのか！と思わず納得してしまいました。ぜひ読む機会があれば、全作品読んでみてください！私が言いたいことがきっと伝わる…はずです（笑）

さて物語の話になりますが、あれだけ楽しそうに海だー！！と、喜んでいたちいさなカニカニだったのに、おもっていた海と違っていて思わず「う…み」とテンション下がりまくりの表情が本当に面白すぎます。
そして、「おもうに…」とおおきなカニカニに繰り返し訴え、必死で帰ろうとして海に入らないほうがいいなどと、言い訳をいっぱい言い出す場面も可愛らしすぎます（笑）どんだけ必死で帰りたがってるねん！とおもわず突っ込みそうになりました。


けれど、ビビリながらも勇気を出して、ちょこちょこと足を踏み出してピチャ！ッと初めて海に入ったちいさなカニカニ。一体どんな反応をするのかというと…それはやはり、ここでは言わず、見てからのお楽しみがいいかと思います♪

ちなみに私は、最後まで読んでまたしても面白すぎて笑ってしまいました（笑）
ぜひ本屋さんで見かけたときは読んでみてくださいね。以上、子ども館宗像でした。