心と生活に寄り添うアレルギー専門医の仕事
アレルギー専門医のお仕事紹介
はじめまして、亀崎です。
私は小児科医ですが、アレルギー専門医なので、日々アレルギーのある子どもたちを診ています。
アレルギー専門の小児科クリニックを開業していますので、アレルギー発症の始まりの段階から重症に至るまで、たくさんのいろんなアレルギーの子どもたちとおつきあいしています。
診察して薬を出すだけでなく、アレルギーがどうして起こるのか解説し、この子のアレルギーは何が原因か、どう治療するか、見通しはどうか、という話をして必要な生活指導(掃除のしかた、入浴法、スキンケア、汗対策、食事指導など)も細かくお話しし、ご家族に納得・安心していただくのがアレルギー専門医の仕事です。
体質がベースにあるので、それを理解すれば薬に頼るばかりでなく、生活習慣を工夫するだけで普通の生活ができる軽症の患者さんもたくさんいます。
喘息もアトピー性皮膚炎も食物アレルギーも、最近では診療ガイドラインといって標準治療が決まっています。
ちゃんとした薬をちゃんと一定期間使えば、子どものアレルギーは大人と違って、よくなっていくことが多いのです。
食べることの大切さ
生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんの体内で作られるお乳を飲んで大きくなります。
これは生物としてあたりまえですが、自分がいなければこの小さな生き物は死んでしまう・・・子どもの食を支配するっていうのはすごいことです。
また、お母さんの食べたものはそのまま赤ちゃんにいくので、責任もあります。
「母乳感作」といって、お母さんの食べた食品が母乳から赤ちゃんの体に入ってアレルギーをおこすこともわかっています。
つまり、栄養のバランスを考え、健康的な食事をすることがお母さんにも必要なのです。
離乳食は楽しく作ろう
赤ちゃんはずっと母乳だけでは大きくなりません。
「離乳」というように、母乳から離れて自分で食べ物を食べることによって、栄養をとっていくのです。
離乳食は、そんなに難しいものではありません。
すすめるコツは、
- 米・野菜・魚・豆といった和風食材から始めて、乳・小麦・肉・卵は離乳食後半にするとアレルギーになりにくい。
- 最初は舌ざわりのよいとろとろから始め、少しずつ固めにしていく。
- 薄味にする。(和風だしや野菜スープを使うと、風味とうまみがあって調味料を使わなくても食べやすい)
私は、たっぷり濃いめのだしやスープを作って氷用の器に冷凍し、キューブ1個ずつを離乳食に使ってのばしたり味付けに使ったりしていました。 - 子ども専用に離乳食を作らない。
(食べてくれないと作るのが嫌になります。親用の食事を作り、途中でおすそわけして赤ちゃん用に煮込んだり柔らかくしたりつぶしたり刻んだりする)
私は2か月半から赤ん坊を保育所に預けて医者の仕事に復帰しましたが、いわゆるベビーフードはほとんど使いませんでした。
仕事を終えてベビーカーで赤ん坊を連れて帰り、ころがって遊んでいるのを見ながら自分の食べたい夕食を作り、魚を少しとって刻んだり、野菜を煮込んで裏ごししてスープでのばしてとろみをつけたりして、自分が食べるのと一緒に食べさせる。
楽しかったなあ。私の人生で一番楽しかった時期でした。
母乳だけでなく、お母さんのつくるごはんも、子どものからだとこころの栄養になるのです。
どうぞ楽しんでごはんを作ってあげてください。
かめさきこども・アレルギークリニック院長(豊中市) 亀崎佐織
小児科学会認定小児科専門医
日本アレルギー学会認定アレルギー専門医
子どものアレルギー疾患について診療・指導・講演・家族支援に力を注ぐ。
卵・乳・小麦を使わなくてもかんたんににおいしくできる、「おうちごはん」冬幻社エデュケーション1200円で、子どもたちのからだにいいおうちごはんのレシピを紹介しています。