ある日もぐらは、誰かが物干しざおに干してある青いずぼんを見つけました。
さっき土の中で見つけた宝物がぜんぶ入ってしまいそうな、おおきなおおきなポケットがついていて、なんてすてきなずぼん。
すっかり気に入ったもぐらは、どこでおそろいのずぼんが手に入るのか一生懸命考えますがわかりません。そこでみんなに聞くことに。
もぐらはどんな風にしてずぼんを手に入れるのでしょうか？？　

ネット販売や様々なお店が充実している今の世の中、ずぼんを作るのにまさか『あま』という植物を育てるところから始めるなんて、誰が想像できるでしょう（笑）
はりねずみの背中で乾いたあまをすいたり、クモに糸を紡いでもらったり。ひとつのものを作るのってこんなに大変！
でも完成した時のもぐらの嬉しそうな顔を見ると、うまくいかずべそをかいたことなんて嘘のよう。
手作りの楽しさがひしひしと伝わってきます。

私は大人になってからこの絵本と出会ったのですが、ページをめくるたびにわくわくしてすみずみまで眺めてしまいます。

この絵本のイラストを手掛けるズデレック・ミレルは、1921年にチェコのクラドノで生まれました。
プラハの美術工芸大学に入学しましたが、戦争のため学業を中断し、ズリーンのアニメーションスタジオで働き始めました。
アニメーションのシナリオや美術、監督を手掛ける一方、絵本作家としても活躍。
特に『もぐらくんシリーズ』は、今ではチェコを代表する人気絵本になっています。
カラフルでかわいらしい動物がたくさん登場する彼のイラストは、一度見たらきっと忘れられないものになるはずです♪

この絵本の続編『もぐらとじどうしゃ』では、もぐらが自慢の青いずぼんで登場☆こちらもぜひおすすめです。


以上、子ども館酒井でした。