食・健康コラム - 体も心も元気に

豆の記 ~煮ル、食ス、満ツル~ その3 ほとほとひびく

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思ひかけず 暗きところなどに ほとめき歩きたるこそ をかしけれ
『枕草子 第四十段 虫は』

(思いがけなく、暗いところなどで、ほとほとと音をたてて歩いているのは、可笑しみがあるものだ)

ここでの「ほとめき」は音がするという意味があります。
 

里帰りするたびに寄る美術館――。
子どもを授かる。
聖なる俗なる日々を繰り返す。
館内の本屋にて、ふらりと手を伸ばす。

『ほとめきごはん』 森光桂子

――『ほとめき』とは 福岡県の筑後地方の言葉で 「おもてなし」という意味です。
――大切な人を頭に浮かべ 頬ばる笑顔を思いながら 心を込めて作った料理 それが『ほとめきごはん』

始まりのページに落ちた目から、頁を繰る指先から、コトバが身に沁む。ほとほととくとくと廻る。

今回は大豆のお話です。

「大豆は畑の肉」という形容はよく知られているところであります。

1885年、ウィーン万博に大豆は出品され、―とりわけドイツにおいてその栄養価に関して―高い評価を受けました。
ドイツでの栽培が模索されますが、その折「大豆は畑の肉」とのキャッチフレーズが生まれました。
残念ながらヨーロッパの土は大豆に合わず、栽培は断念されることとなりますが、世界的に大豆が注目を浴びるきっかけとなりました。

人体は主にたんぱく質で形づくられており、そのたんぱく質を構成するのがアミノ酸です。

人間に必要なアミノ酸は20種類。
そのうち9種類は食べ物から摂る必要があり「必須アミノ酸」と呼ばれています。
この必須アミノ酸から、残り11種類は体内で作り出すことができます。

豆には必須アミノ酸のうち7種類が、そして米には残りの2種類が含まれています。

ご飯と豆腐の味噌汁、ご飯と納豆、豆ご飯、赤飯、おはぎなど、日本の伝統食における代表的な食べ合わせを通して、必須アミノ酸を摂取することができるのです。

納豆は大豆を原材料とする発酵食品であり、「豆を煮る(煮豆)」と「藁」とが出会って初めて誕生します。納豆の呼び名は、藁を束ねて苞(つと)という容器=藁苞(わらづと)で大豆を包み作られたので、藁苞に「納めた豆」からきているといわれます。
縄文人の竪穴式住居それ自体が巨大な苞、発酵室ともいえる性格を有しており、その上に彼らは稲ワラを敷いて生活していたことまでを鑑みると、縄文晩期、既にネバネバと糸を引く奇妙な豆が我が国において食されていた可能性は否定できないとされています。

納豆には大豆の栄養がまるごと入っているだけではなく、発酵の過程で増加する成分もあります。

例えばビタミンB2は納豆にすると大豆の2~3倍になるものもあり、体内の脂肪を燃やしやすくし、肌を美しくします。
また子供の成長にも大切で、納豆好きの子供が多いのも身体が納豆の成分を欲しがっているとも言えます。疲労回復にも効果があります。

納豆の旨味はあのネバネバにあり、胃壁を守ってくれたり腸管の老廃物などの通りを良くし毒素を排泄してくれたりします。

ところで納豆を好むのは関東以北で西日本では納豆はあまり好んで食べないと聞いた事があります。
納豆を作る作業は雪の深い米作地帯で多く行われ、魚に代わるタンパク源になっていました。
一方、瀬戸内海などからいつでも手に入る西日本では納豆を作る習慣はあまりなかったため現在も納豆を食べない要因と考えられます。

台所で豆を煮ていると子供時代の事を想います。あの時と同じ香り・・・。
母親の友達が家に集まり大豆を囲む。味噌作りです。

次はもう一つの発酵食品、味噌についてです。

縄文人の生活の跡からどんぐりで作った「縄文味噌」と呼べるようなものが見つかっています。

鎌倉武士の食事は一日5合の玄米に味噌汁、魚の干物という一汁一菜だったといわれます。
粗食に見えますが味噌汁で栄養を補給すると食べ方は理にかなった食事といえますね。
これが大正時代まで長く受け継がられました。
米は時代や事情などにより精米されたり麦やひえなどの雑穀になったり、干物が土地により野菜の煮物になったりすることがありましたが、味噌だけは変わらず食べ続けられました。

それぞれの家で作り年間一人十升の味噌を食べていたようです。

味噌が現在の味噌汁の形になったのは室町時代からで、それまでは大豆の粒を残し大豆を食べるのが味噌汁でした。
鎌倉時代に大豆の粒を「する」ことで調味料としての用途も広がり、それがおそらく寺の精進料理に使われていった事でしょう。
室町時代には様々な味噌料理が作られ味噌は大きく飛躍したと考えられています。

また平均寿命が37歳ぐらいだった時代、75歳の長寿を保った徳川家康は「五菜三根」の味噌汁を食べたと言われています。
長い江戸時代、幕府の力は「具沢山味噌汁」が作り出したのかもしれません。

江戸の街では外食の習慣ができ、料亭や飲食店の発展とともに味噌を使った料理が発達し、それが徐々に庶民にもなじんでいったようです。

『味噌汁』

実家を離れた時、想い出すのはお母さんの味噌汁でした。
初めての一人暮らしで初めて作ったのは味噌汁。
そして今、息子が小さな手で味噌汁のお椀を持つ。
そろそろ母から味噌作りを引き継ぐ時かもしれません。

本日は『ほとめきごはん』より、豆ご飯を紹介いたします。

炒り大豆ご飯

白米・・・・・2合
炒り大豆・・・大さじ4
塩・・・・・・ふたつまみ

炊飯器に材料全て入れ、白米2合分の水加減で炊飯する。
今回はおにぎりにしました。

よく噛んでいると、ある瞬間から旨みが現われますので、お楽しみ下さいませ。

栄養士 杉井 もえ

栄養士免許取得後、料理撮影アシスタントに。
その後、珈琲会社で輸入食材販売を担当。
あるひと夏レタス畑にて働く。仲居になる。
病院栄養士退職後、豆とスパイスに目覚める。
現在、自宅で豆を煮る日々。

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