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第11回:アメリカ・デトロイト 子どもの遊びには、車と親がマストアイテム

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大阪市内で生まれ育った私

ママココ大阪のみなさま、こんにちは。米国ミシガン州在住の谷口輝世子と申します。

私は生まれてから大学を卒業するまで大阪市内に住んでいて、細い路地と古い民家が密集する路地で育ちました。
あまりに道幅が狭く、自動車が入ってこないのをよいことに、迷路のように入り組んだ路地をひたすら走り回り、電柱によじのぼり、よその家の壁にゴムボールをぶつけて怒鳴られ、というのが幼稚園児から小学生にかけての子ども時代の思い出です。
小学校3、4年生ごろからは自転車に乗り、子どもだけで心斎橋や難波、天満橋付近にも出かけていました。

クルマがなければ公園や友達の家にも行けない!

デトロイトタイガースの本拠球場前です。開幕前の取材手続き日に子どもを連れていきました。

大学卒業後、日本のスポーツ新聞で記者をしていた私は、日本選手が大リーグでプレーをし始めたことから、1998年に渡米して大リーグの取材をすることになりました。
その後、ミシガン州で結婚して、現在はデトロイト郊外に夫と小学生の2人の息子の4人家族で住んでいます。

もともとスポーツをするのが好きだった私は、子どもたちにも十分に身体を使った遊びをしてほしいと思っていました。
私自身の子ども時代の楽しい思い出が、子どもだけでいろいろなところへ出かけていたことだったので、その楽しさも子どもたちに味わってほしいとも考えていました。

子どもたちが3、4歳のころは私が子どもたちの外遊びに付き添っていましたが、上の息子が5、6歳になったころから、家のすぐ近くなら子どもだけで遊べるのではないかと感じるようになりました。

ところがどっこい。  自動車がないと子どもたちは公園や友達の家に遊びに行くことができません…。

広大な国土を持つアメリカは、一軒ごとの家やショッピングモールなどの建物も大きいのです。
ニューヨークやサンフランシスコというごく一部の都会では事情が違うかもしれませんが、米国中西部郊外に住む私たちのところでは、二十軒ほど離れた友達の家は、子どもの足で歩くと5、6分かかります。
息子の仲の良い友達の家は、1.5キロメートル以上離れています。
小学校5年生ごろからは子どもだけで自転車に乗り、行き来するようになりましたが、それまでは親同士がプレイデートと呼ばれるいっしょに遊ぶ日時を決め、お互いに家まで送り迎えしていました。

家の庭で落ち葉を集めて遊んでいるところです。家の前なので、さすがに親の付き添いなしで遊んでいます。 大きな一戸建て。一軒一軒が離れています。私の家ではありません…。

バスに乗り遅れると学校へ行けない?!

兄弟で歩いてスクールバスのバスストップへ。私が「歩ける距離!」と車を出さないため、仕方なく歩く2人。

学校も歩いては通えない距離です。
私の子どもたちはスクールバスで通学していますが、長男の学校までは片道5キロ以上離れているので、バスに乗り遅れると学校までたどり着くことができません。
だから朝は乗り遅れないように必死!冬は氷点下10度ぐらいまで冷え込むので、しっかり防寒してバスを待ちます。
自動車でバスストップまで送り、子どもがバスに乗り込んだのを確認する保護者の人がほとんどです。

学校の前にずらりと並んだお迎えの車。この他にスクールバスや徒歩で通う子どももいます。

二男もスクールバスで通学していますが、週に1度、放課後に委員会活動をしており、帰りのバスには乗ることができません。
その日は私が学校まで迎えにいきます。放課後の委員会活動を希望する児童に対し、学校側からも「終了時間に保護者が迎えに来ることが可能であること」という条件がつきます。

自宅から一番近い広場は、家から500メートルほどのところにありますが、少し大きな公園までは約3キロメートルほど離れていて、子どもたちは自分で歩いていくことができません。
親である私が車を運転して連れていきます。
車を運転してくれる大人が「いいよ」と言ってくれない限り、子どもは少し離れた公園や友達の家に行くことができません。
米国では少なくとも小学生低学年や中学年より小さな子どもたちを、子どもだけの状態にするのは防犯や事故防止の観点から危険なことと考えられています。
小学生低学年の子どもが、子どもたちだけで公園で遊んでいたり、公道を歩いていたりすると、育児放棄を疑われることもあるようです。

公園は文句なし

大人が付き添いを推奨する案内板。

公園には「大人が付き添うこと」という立て看板があったり、「大人の付添いを推奨する」と書かれているところもあります。
そのため、親の都合が悪いときには小学生の子どもであっても公園に行けないということが起こります。

しかし、私の家の近くのいくつかの公園は芝生が敷き詰められていて広く、きれいです。
汚いはずのゴミ箱もわりと清潔。滑り台やブランコ、ジャングルジムなど転落の危険性がある遊具の下には衝撃を和らげるウッドチップが敷き詰められています。
公園の遊具は比較的新しく、市の職員によって頻繁に点検されていて、危ない遊具などは設置されていません。

子どもたちとよく通った公園。とてもきれいです。

また、日本の公園では、ボール遊びをしたい大きな子どもと、ヨチヨチ歩きの子どもたちが狭いスペースで遊ぶので、ヒヤっとする思いをされた保護者の方もいらっしゃるのではないかと思います。
私の近くの公園は広いので、ヨチヨチ歩きの幼児が楽しめる遊具のほかに、走り回ったり、高いところからもジャンプができる小学生たちが楽しめる遊具の両方が設置されています。

サッカーやバレーボール、野球をして遊ぶ子どもや大人たちのためには、少し離れたところに専用のフィールドがあり、こちらを使います。
遊具のあるスペースにはペットの立ち入りを禁じているところが多いようです。

夕方は忙しい

野球の試合の様子。ユニホームの背中にチームのスポンサーの名前が入っています。

スポーツやそのほかの習い事の送迎も保護者がしています。
送迎は自動車で行っています。
夕方はどこの家庭も忙しいですが、米国人の親は、習い事のある日の夕方は「運転手役」という用事もあるので大忙しです。

うちの子どもたちは、秋冬はアイスホッケー、春は野球をしています。
練習や試合のある日は早めに夕食をとらせ、使った食器はシンクに突っ込んだままで、自動車で子どもたちを送っていきます。
練習や試合は1-2時間程度ですので、私は家には帰らずにその場で子どもを待ちます。

宿題

米国では大学入学までは受験のようなものをがないので、夕方の塾通いをしている小中学生はあまりいません。
塾そのものが少ないのです。
苦手克服やより学力を伸ばしたい場合には一時的に家庭教師にお願いしているケースが多いようです。

公立の学校に通う子どもたちの宿題も、日本の宿題と少し内容が違います。音読のような宿題はなく、1日20分―30分の読書や、調べてレポートする学習などが多いようです。
自宅のコンピューターを使って、先生から指示されたウェブサイトにアクセスし、個人のレベルにあわせた読解や算数の問題を解いたり、高学年になるとパワーポイントの使い方も学習していますし、メールにレポートを添付して先生に提出することもあります。

最近の悩みはコンピューターを使って宿題しているはずの子どもが、コンピューターでゲームをしていること。
私も仕事しているはずが、ついSNSをのぞいたりといったこともあるので、同じようなことなのかもしれません。

谷口 輝世子

谷口 輝世子

デイリースポーツ社で1994年よりプロ野球を担当。1998年に大リーグなど米国スポーツ取材のために渡米。2001年よりミシガン州に移り、通信社の通信員などフリーランスとして活動。著書『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)。

» 子どもがひとりで遊べない国、アメリカ

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