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第12回:マレーシア 子供好きな人々に囲まれたハッピー育児

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ママには変化がつきもの!?

トランスレーター/ライター わだまきこ

ママココ大阪をご覧の皆様、初めまして。
マレーシアのクアラルンプール在住のわだまきこです。
主人の転勤に伴い、当時2歳の息子と愛犬連れでクアラルンプールでの生活をスタートしてちょうど一年後の今夏、次男を出産しました。
そう、記念すべき出産後の初仕事がこちらの記事。授乳の合間を縫っての執筆です。
「さあ、書こう」と思ったら泣き出し、「シメシメ、ようやく寝たな」と思えばシャックリが始まり…。
育児って思うようにならない日常の繰り返しですよね。

私は約10年の会社員生活を経て、ママとなってからは在宅で翻訳や執筆の仕事をしています。
ようやく理想の働き方にたどりつけたかなと思っていますが、きっかけは第一子の育休復帰からわずか3カ月でクビになったことだったんですよ。
簡単にいえば、時短社員はお荷物とばかりに正社員からフリーランス転向を強いられたわけです。
そしてようやく新しいスタイルに慣れてきた頃、主人の海外転勤が決まり、さらにその一年後に第二子を現地で出産することに。

ママになってから変化続きですが、そもそもママになったことが最大の変化。
皆さんも大なり小なり生活の変化に戸惑い、対応しながら頑張っているのだと思うと、勇気がわいてきます。
変化に対応できずしてママはやっていられない!?

現地出産を選択

日本に引けをとらない設備の快適なLDR。

妊娠が発覚した時、私は迷わずマレーシアでの出産を選択しました。
もちろん、日本で出産となると、長男の保育園や犬など心配な点がありましたが、一番の決め手は24時間無痛分娩対応の総合病院が車で5分の場所にあったこと。
長男の時は日本で陣痛促進剤を使っての計画無痛分娩で出産し、リラックスしたお産と産後の回復が早いことにメリットを感じたので、今回も無痛分娩で、可能なら自然な陣痛を待っての分娩が理想でした。

日本では麻酔医やスタッフの問題で24時間麻酔に対応できるところは非常に限られていますが、現地の病院ではこれが可能とあって、マレーシアでの出産を選びました。

こちらの場合、総合病院といっても、各医師が病院内にオフィスを開いているイメージで、患者は担当医師を選んで受診します。
出産時は、妊娠37週を過ぎると、担当医師の携帯電話を教えてくれ、夜中であろうと、担当医師が呼び出され対応します。
「先生が対応できない状況だったらどうするのだろう?」と少なからず心配でしたが、いざ出産時は午前4時頃先生が来てくれました。
もちろん、担当医が対応できない場合のバックアップ体制はあるようです。

深夜に現れた麻酔医

入院中の食事は、アジア、西洋、ベジタリアン、産後用の特別食メニューの中から選択。和食が恋しくなるひと時…。

どんなお産になるのか不安と期待が高まる中、39週で迎えた陣痛。
21時頃病院に向かい、麻酔医を待つこと2時間。陣痛はどんどん強まり、「もう耐えられない!」と悶えていた深夜12時、ようやく到着。
いかにも寝起きで駆けつけましたという私服のインド系のおじさん。
暗闇に登場したブラックジャックのような怪しさ(笑)。
しかし手際よく、それから10分も経たないうちにすぐに痛みから解放されたのでした。

麻酔医は24時間「常駐」しているのかと思っていたのですが、必要に応じて麻酔医を呼び出す体制のようでした。
この体制、日本の産科でも取り入れたらよいと思いませんか。
但し、早めに麻酔医を呼んでもらうことをおススメします。

胎盤を持ち帰る!?

くるくる巻きで登場した我が子。病院では常にくるくる巻きで、強めにきっちりくるまれていますが、これが落ち着くようです。日本では「おひなさままき」というそうですね。

言葉も違えば、細かい検査項目なども異なるのでそれなりに不安や心配がつきものの妊婦生活でしたが、結果的に、日本と違和感のない医療技術と設備で、リラックスした理想の出産をすることができました。

印象的だったのは出産直後。助産師に「へその緒を持って帰るか」と尋ねられたかと思い、私が「Yes」と答えると、袋に入った生々しい内臓のようなものを掲げて「こんな大きなもの持ち帰ってどうするんだ、匂ってくるよ」と。
なんとへその緒ではなく、胎盤だったのです。

なぜ尋ねてきたのかと突っ込みたくなりますが、助産師の話によれば、マレー系の人は胎盤を持ち帰ってきれいに洗い、庭の木の下に埋める習慣があるのだそうです。

その後も入れ替わり立ち代り登場するスタッフに「胎盤は持ち帰るの?」と何度も同じ質問をされ「No」と言い続ける羽目となりました。
本当か否か、胎盤を食べる説もあるようで…。

産後の養生

インド系の知人に教えてもらった赤ちゃんによいというGripe Water。整腸作用がある自然派シロップ。早速効果が出たのにはびっくり。マレーシアでは食品から道路標識まであらゆるものがマレー語と英語で表記されています。このボトルのラベルは英語、マレー語、中国語が併記されています。

他の外国と同様、入院期間は短く、産後1日程で退院するのが一般的です。
私は希望して産後3日間入院したのですが、スタッフに会うたびに「いつ退院?」と聞かれ、無理やり退院させられないか不安になった程です。

約6割のマレー系、約3割の中華系、約1割のインド系を主要民族とする多民族国家のマレーシアでは、出産、育児の考え方や習慣も民族によって異なりますが、産後の養生に関しては認識が浸透しているようです。

マレーシアの人はとても懐っこくて、親しくなくても気軽に話しかけてくれます。
初めてでも平気で「家賃いくら?」など意図不明の突っ込んだ質問までしてくるのも特徴。

妊娠中には「産後は誰が長男の面倒をみるのか」とよく尋ねられ、「両親が来てくれる」というと安心した表情をされるのが印象的でした。
身内にお手伝いが頼めない場合は、産褥アマさんという、産後専門の住み込みのメイドさんを頼む習慣もあります。

知り合いから見知らぬ人まで、妊娠中もいろんな人に話しかけられましたが、産後はアドバイスまで受けるようになりました。
例えば、インド系のメイドさんや保育園の先生には、私が裸足にサンダルでいると「靴下をはきなさい。後で足の関節が痛むわよ」「水仕事はやめなさい」、中華系の知人には「産後一か月は外出しちゃだめよ」、「赤ちゃんの顔が黄色いからプールサイドで日光浴させなさい」、マレー系のタクシー運転手には、息子の迎えに行こうとしたところ「産後出歩くのはよくない」とお叱りを受け…(笑)。

民族問わず、皆がいろんなアドバイスをしてくれます。
子供好きのマレーシア人、赤ちゃんを連れていると一層注目の的となります。

マレーシアの教育環境

ある幼稚園。モンテッソーリ式に中国式、シンガポール式などあらゆるタイプの園が存在。園のタイプやエリアによって、外国人が多かったり、ローカルの子が多かったりと様々。多くは一軒家を改装して使われている。

マレーシアという国を知れば知るほど「マレーシアってこうですよ」と紹介するのは難しいことだと感じています。
多民族、多文化が混在するこの国、とにかくいろいろなのです。

子供の数も、マレー系は6,7人の兄弟も珍しくないけれど、中華系は少ない。
食生活も違えば家庭内で使う言語も違います。公立の小学校も、教授言語が異なるマレー系(マレー語)、中国系(中国語)、インド系(タミル語)と3タイプの小学校があり、私立では英語で教える学校も多くあります。
ちなみにマレーシアの国語はマレー語で、どの学校でも必須科目とされています。

小学校もいろいろなら、幼稚園や保育園も様々なタイプの園があり、共働きも多いので充実しています。
暑いためか、日本と比べるとどこも外遊びは少なめで園庭は広くありません。
どちらかというと勉強重視の印象を受けます。
幼稚園のうちから、外国語や算数の授業をする園が多く、小学校の算数の進度は日本よりも進んでいるといいます。
特に厳しい中国系の小学校では低学年から成績別にクラス分けされるとあって、進学予定の子は幼稚園のうちから塾通いする子も多くいる程。
小学校の入学年齢を一年引き下げる計画もあり、教育熱は年々高まっています。

TVや新聞は4か国語で、街中でも多言語が溢れ、異なる文化が常に身近にあるこの国では、教育も、両親の方針ひとつで複数の選択肢があります。

マレーシアでの子育てに楽しみを覚えながらも、親の送迎なしでは出かけられない環境や治安の問題、日本に帰国時の対応の問題など、海外育児にまつわる不安はもちろんつきません。
でも、子供好きなマレーシアの人々に囲まれて育児できるこの環境はとても恵まれていると感じています。
その日、その時を大切に、変化に対応しながら、育児を楽しんでいきたいものです。

わだまきこ

わだまきこ

トランスレーター/ライター。
1977年静岡県生まれ。早稲田大学大学院(教育学)修了後、大手渉外法律事務所の秘書、翻訳会社勤務を経て、第一子出産を機にフリーランスで翻訳、執筆活動をスタート。2012年夏よりマレーシア・クアラルンプール在住。雑誌やWebでマレーシアの記事やコラムを担当するなど、幅を広げて活動中。マレーシア国立博物館日本語ボランティアガイド。2013年夏に二男を現地出産し、2男児のママに。

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