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第9回:ポーランド 子どもと一緒に生まれた出会い

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出産費用無料!……でも

スプリスガルト 友美

みなさま、こんにちは!ポーランドでライターをしながら子育て中のスプリスガルト友美です。

私の住むポズナンは人口およそ60万人の西部の都市です。
ポズナンのシンボルは毎日正午になると2匹のヤギが顔を出す旧市庁舎の仕掛け時計。
かわいいヤギを一目見ようと、毎日たくさんの人が旧市庁舎前に集まります。
また、ポズナンには90年の歴史を持つ大きな国際見本市展示場があり、見本市の度に多くの外国人が訪れるという国際的な都市でもあります。

そんな街に、生粋のポズナンっ子である夫と、もうすぐ5歳になるこれまたポズナン生まれの娘、そして12歳のコリー犬といっしょに住んでいます。

仕掛け時計のヤギはクリスマスになると赤い“サンタ服”を着て登場します。その姿はとてもキュート!

結婚当初は、「出産は絶対日本で!」といっていた私ですが、結局はポーランドで出産しました。
というのも、腕のよい産科医にめぐり合うことができた上、見学に行った産院の分娩室が予想に反して(?)とてもきれいだったのです。
しかも、国立の産院で出産したので、費用は無料でした。(私は、立会い出産のできる個人分娩室を選んだので、その利用料金として300ズウォティ(約9千円)だけ払いました)

そもそもポーランドでは、保険にさえ入っていれば国立の病院やクリニックで診察してもらう場合は無料なのですが、それが妊婦健診だけでなく出産にまで適用されるとは驚きでした。
ただ、無料であるがために、費用がかさむとされる超音波検査が一人当たり何回まで、と決まっていたようで、3回ほどしかしてもらえなかったのが残念でした。
また、産後の入院中の食事も、朝晩はパン数切れとハムまたはチーズだけ、一番量が多いメインディッシュであるはずの昼食でさえ、肉一切れにマッシュポテトという質素さでした。
さらに、安産で産後の経過もよかった私は、産後2日で退院させられてしまいました。
でも、アメリカのスズキマサミさんデンマークの北村朋子さんフィンランドの靴家さちこさんなども書かれていましたが、他の国でも問題がなければ退院は早いようなので、これが外国のスタンダードなのかもしれませんね。

産後の入院中に生まれたばかりの娘をパチリ。ベッドの幅が狭く、授乳のときに娘が落っこちてしまわないかハラハラしていたのを今でも覚えています。

帰宅後は、1~2ヶ月の間に週1度、助産師さんの訪問がありました。
こちらも無料医療サービスのひとつとなっているようです。
初産ということもあり、授乳の仕方からオムツの替え方、つめの切り方まで、子育てのスタートに必要なことはすべてこの助産師さんに教えていただきました。
「お風呂に入れるのはお父さんの仕事。赤ちゃんは手の大きいお父さんにお風呂に入れてもらうと安心できるのよ」なんて、さりげなくお父さんへの育児協力も呼びかけてくれました。

助産師さんとは今でも季節の挨拶などのやり取りをさせていただいており、娘の成長の様子をご報告しています。

最初のイベントは洗礼式

洗礼式の間、主役の娘はぐずることなくおとなしくしていてくれました。

ポーランドは国民の9割以上がカトリック教徒というカトリックの国です。
一般の家庭内だけでなく、学校や病院などの公共施設でも十字架が掲げられているのをよく見かけます。
そんなポーランドでは、学校で宗教の授業があります。
少数ながら違う宗教の家庭もあるため、“選択性”ということになってはいますが、やはり必然的に大半の子どもが受けていることになります。

私はカトリックではありませんが、夫も夫の両親も親戚もみなカトリック。
いろいろと話し合った末、生後1ヶ月で洗礼を受けさせることにしました。

洗礼式は家族・親戚が集まっての一大イベントです。日本から私の両親も駆けつけてくれました。

娘に白いドレスを着せ、教会でミサがあり、記念写真を撮って、お食事会があって……、と国も宗教も違ってはいますが、まるで日本のお宮参りのようだなと感じていました。
子どもの健やかな成長を祈る気持ちはどこも同じなんですね。

本を読もう!

ポズナンの児童書専門店“おとぎの国から(Z Bajki)”の一角。日本でおなじみの『ムーミン』や『くまのプーさん』なども人気があります。ポーランドで『ムーミン』のパペットアニメが作られていたのをご存知でしたか?

統計によると、60パーセント以上の人がほとんど本を読まないというポーランド。
共働き家庭が多く、忙しさから読み聞かせをする親が少ないようで、その結果、多くの子どもたちが読書の楽しさを知らずに育ってしまったとのこと。さすがにこれではいけないと思ったのか、2001年に始まったのが、「ポーランド中が子どもたちに読んであげる」というキャンペーンです。
文字通り、子どもへの読み聞かせを推奨するもので、幼い頃から読書の習慣をつけようというのがねらいです。

このキャンペーンでは、幼稚園や小学校の授業でも読書の時間をもうけるよう提案したり、児童文学コンクールを創設したり、または推薦児童図書リストを作成したりして、読書率の増加に一役買っているようです。

ポズナンの児童書専門店“おとぎの国から(Z Bajki)”でのお話会の様子。子どもたちはみなお絵かきに夢中です。

ポズナンには、“おとぎの国から(Z Bajki)”というメルヘンチックな名前の児童書専門店があります。
店長のクリスティーナさんはまさにおとぎの国からやってきたようなエレガントな女性で、児童文学についての知識が大変豊富でいらっしゃいます。
彼女は書店経営だけでなく、毎週土曜日に子どもたちと本の世界で遊ぶ“文学の朝”というお話会を開いたり、児童文学作家や絵本作家を招いての講演会を企画したり、と子どもたちを自然と読書の世界に招き入れています。

私たちも娘を連れて土曜日のお話会に行ったことがありますが、そのときはお話に出てくる世界を絵に描いたりして、みな目を輝かせて楽しんでいました。
私自身本が好きで、子どもの頃からたくさん読んできたので、娘にも毎日読み聞かせを続けていますが、無理やり読まされるのではなく、自分から進んで本を手に取るような、そんな子に育ってくれたらと願っています。

幼稚園と小学校0年生

幼稚園体験入園でのひとコマ。3歳から6歳までさまざまな年齢の子どもたちが集まっていました。

ポーランドでは、3歳~6歳の子どもが幼稚園に通いますが、そのうち、5歳と6歳の子どもは義務とされています。
このうち6歳児の教育で面白いのが、幼稚園と同じことが小学校でも行われ、しかも小学校入学の準備にもなるという“ゼルフカ=小学校0年生”と呼ばれる制度です。

娘が、幼稚園行きが義務付けられる5歳となる今年は、ゼルフカを推奨する通学圏内の小学校から娘宛てに手紙が届きました。中には小学校のパンフレットと、一日体験入学のお知らせが。

実は2~3年前から、小学校入学年齢を7歳から6歳に引き下げるという話が出ていたのですが、毎年親の反対にあい、なかなか義務とはならず、今のところ6歳児は幼稚園か小学校のどちらかを選べることになっています。
つまり、5歳児も幼稚園かゼルフカかを選べるのです。

私たちは、娘を幼稚園に行かせるかゼルフカに行かせるか悩みましたが、娘の学年は6歳児で小学校入学が義務付けられるようで、1年だけ幼稚園に行かせるよりは、早めに小学校で慣れてしまったほうがいいのではと考え、ゼルフカに申し込みました。
このゼルフカも今年は5、6歳児の選択性となったので、クラスの多くは娘よりひとつ年上の子どもたちかもしれませんが、娘はもう学校へ行くのを楽しみにしています。
私自身早生まれでしたが、学校生活で特に苦労した思い出もないので、娘も年上の子たちに引っ張られて成長してくれることでしょう。

今年の9月から娘が通うことになる小学校には、夫も通っていたそうです。親子2代で同じ小学校ということで、夫も感慨深そうです。

最後になりましたが、ポーランドの三大都市はよく日本の三大都市に例えられます。
首都のワルシャワは同じく首都の東京、古都であるクラクフは古都・京都、そしてポズナンは大阪に例えられます。
ポズナンも大阪同様商業都市として発展してきたからです。

関東出身の私は、大阪は旅行で訪れたことはありますが、住んだことはありません。
でも、こうして“ポーランドの大阪”といわれるポズナンに住み、大阪にお住まいのママココのみなさんにポーランドの子育てをご紹介できたのも何かのご縁ではないでしょうか。

ポーランドは観光地としてはメジャーではありませんが、まだまだ自然が多く、あちこちに歴史の香りが感じられる国です。
ヨーロッパ観光の際は是非、ポーランドへも足を延ばしてみてくださいね。

スプリスガルト 友美

スプリスガルト 友美

ポーランド在住のライター。ポーランド語の翻訳や翻訳校正にも携わる。
東京外国語大学で、ピアノを習っていた私の憧れだったショパンの国の言語であるポーランド語を専攻し、卒業後翻訳会社に就職。その後、ポーランド文学翻訳を志し、ポーランドへ留学。そこでポーランド人である夫と出会い、結婚を機に2002年からポーランド在住。
ポーランドの本・映画や料理、住宅事情、観光名所、生活の様子などについて『クーヨン』(クレヨンハウス)、『ムジカノーヴァ』(音楽之友社)、『マガジンアルク』(アルク)、『ジャパンタイムズジュニア』などの雑誌や新聞、会報誌などに執筆。

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